家づくりで使われる木材というと、桧や杉を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
しかし、住宅にはほかにもさまざまな木材が使われています。
今回紹介するのが「米栂(ベイツガ)」です。
一般の方にはあまり聞き馴染みがないかもしれませんが、住宅では造作材や枠材などに使われることがある木材です。
特に、既製の新建材だけではなく「本物の木を見せたい」という住宅とは相性が良く、木の雰囲気を活かした家づくりにも使われます。
今回は米栂がどんな木材なのか、用途やメリット・デメリットまで建材営業の目線から分かりやすく紹介します。
米栂(ベイツガ)とは?
米栂は「ベイツガ」と読み、主に北米から輸入される針葉樹です。
名前に「栂」と付いているため日本のツガと同じものと思われがちですが、流通上「米栂」と呼ばれている輸入材です。
比較的まっすぐで素直な木目を持ち、加工しやすいため、日本の住宅でも長く利用されてきました。
特に、
- 造作材
- 窓枠・ドア枠
- 建具材
- 廻り縁
- 長押
- 和室材
など、住宅の細かな部分に使用されています。
桧や杉ほど名前が知られていなくても、実は家の中で使われていることがある木材です。
米栂の特徴・メリット
木目が比較的すっきりしている
米栂は比較的まっすぐで整った木目が特徴です。
杉のように木目や色の違いが大きく出る木材とは少し印象が異なり、すっきりとした木質感を出しやすいのが魅力です。
木をたくさん使った住宅でも主張しすぎにくいため、自然な雰囲気に仕上げやすい木材です。
造作材との相性が良い
米栂の特徴を知るうえで覚えておきたいのが「造作材」です。
造作材とは、窓枠やドア枠、巾木、廻り縁、棚など、住宅の内装を仕上げるために使われる木材のことです。
米栂は加工性が比較的良く、長さのある材料も取れるため、こうした造作用途に使われてきました。
家の構造を支える木材というよりも、室内をきれいに納めるための木材として目にする機会があります。
木を見せる家と相性が良い
最近の住宅では、木目を印刷したシートを貼った建材も数多く使われています。
価格や品質の安定性、メンテナンス性などを考えると、新建材には大きなメリットがあります。
一方、
「せっかくなら本物の木を使いたい」
「木の質感が感じられる家にしたい」
という方もいると思います。
そんな住宅では米栂の造作材も選択肢になります。
窓枠や建具枠など細かな部分まで天然木にすると、シート貼りの製品とはまた違った木の質感を楽しめます。
木を活かした和風住宅はもちろん、ナチュラルな住宅にも合わせやすい木材です。
塗装によって雰囲気を変えられる
米栂はそのまま木の色を活かして使うだけでなく、塗装して仕上げることもできます。
木目を残した塗装をすれば、天然木らしさを残しながら住宅のインテリアに合わせて色合いを調整できます。
造作材は床や建具、家具などとの色合わせも重要なので、仕上げ方を選べることはメリットの一つです。
米栂のデメリット
米栂は使いやすい木材ですが、どこにでも最適というわけではありません。
特に注意したいのが耐久性です。
桧のように耐朽性の高さを大きな特徴とする木材ではないため、湿気や水分の影響を受けやすい場所では使用環境を考える必要があります。
また天然木なので、
- 木目や色に個体差がある
- 反りや割れが発生することがある
- 節が入る場合がある
- 経年によって色合いが変化する
といった特徴もあります。
均一な見た目や寸法安定性を最優先する場合は、新建材の方が扱いやすいケースもあります。
天然木と新建材のどちらが優れているということではなく、求めるデザインや用途によって使い分けることが大切です。
新建材と米栂はどう使い分ける?
現在の住宅では、ドア枠や窓枠などにシート貼りの既製造作材が多く使われています。
こうした新建材には、
- 品質が安定している
- 色を合わせやすい
- 商品を選びやすい
- 施工しやすい
といったメリットがあります。
一方、米栂などの天然木には、本物の木ならではの木目・手触り・経年変化があります。
そのため、
「コストや扱いやすさを優先するなら既製の新建材」
「木そのものの質感を楽しみたいなら天然木の造作材」
という考え方もできます。
家全体を天然木にする必要はありません。
リビングなど人の目に入りやすい場所だけ天然木を使うなど、予算に合わせて使い分けるのもおすすめです。
建材営業のひとこと
米栂は、桧や杉と比べると一般の方にはあまり知られていない木材だと思います。
ただ、建材を扱っていると造作材などで目にすることがあります。
個人的には「木っぽい家をつくりたい」という方には、こういう材料にも注目してほしいです。
最近の新建材は木目の再現度もかなり高く、見た目もきれいです。
それでも、本物の木には本物ならではの質感があります。
窓枠やドア枠、棚など細かな部分まで天然木を使うと、部屋全体の雰囲気も変わります。
全部を天然木にするとコストもかかるので、見せたい場所だけ米栂などの造作材を使うのも面白い選択肢だと思います。
家づくりをするときは床やドアだけでなく、「枠や造作材に何が使われているのか」まで見てみると、さらに面白くなりますよ。
まとめ
米栂(ベイツガ)は、主に北米から輸入され、日本の住宅でも造作材などに使用されている針葉樹です。
比較的すっきりした木目と加工性の良さを活かして、窓枠・ドア枠・建具材・和室材など幅広い場所で使用されています。
特に、本物の木の質感を活かした住宅との相性が良いのが魅力です。
一方で、新建材には品質や寸法の安定性、扱いやすさなどのメリットがあります。
どちらか一方が正解ではありません。
木の質感を楽しみたい場所には米栂などの天然木、機能性やコストを重視する場所には新建材というように、使い分けるのもおすすめです。
木の雰囲気を大切にした家づくりを検討している方は、ぜひ米栂にも注目してみてください。



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